soil-fertility

茶葉の保全・保護

土壌の肥沃度

土壌有機物は、土壌の状態を良好に保ち、土壌の流出を抑え、栄養分と水の利用効率を高める上で重要です。それぞれの土壌のタイプに応じ、有機物のレベルを適正な範囲内で維持・引き上げを行います。こうした有機物は、植え付け前に刈り取られた草や落ち葉、剪定した枝、熟畑の根覆いなどから抽出されます。農作業の機械化は土壌の圧縮につながるため、土壌の状態が時間の経過とともに悪化する要因のひとつです(土壌pHの変化、灌漑による塩分濃度の上昇など)。

picture_big

有効な手段

有機物

剪定した茶の枝木を畑に残します。それらを燃料として利用することは避け、燃料用木材は別途確保します。日よけの木を管理し、有機物の供給源とします(落ち葉や剪定した枝木など)。剪定した枝木だけでは十分でない場合、栄養分や微生物、保水性を考え、ミミズ堆肥・家畜堆肥・草木を使用し有機物を追加します。茶の栽培に先立ち、グアテマラ草やマメ科植物を植えることで土壌の回復を試みます(植え替えの場合は2年前に作業を行う)。地被植物のない期間を最小限に留めます。

土壌が圧縮されると、土壌構造が変化し、植物の生育不良や浸水が発生します。茶園の場合、土壌の圧縮は大きな問題ではないものの、車輪のある収穫機を使用する時は注意が必要で、特に土壌が水分を多量に含んでいる整地での重機の使用は避けなければなりません。舗装されていない通路とトラクターの通り道は地被植物で覆うことが重要です。

土壌のpHと塩分濃度
茶木の生育には4~5.5pHの土壌酸度が最も適しており、5.5pHを超える土地には植えないようにします。pHの高い一部の区画(小屋の周辺など)には、耐性のあるクローン品種を25cm x 40cm大の穴に植え、そこに60gの硫黄を投入します。こうした区画では、生育の遅れや葉の縮れ、球状根といった症状が発生してしまいます。栽培適地を理解するには、茶木が元気に生育している場所が参考になるほか、ワラビ・イチビ・キクユソ草といった植物の繁茂も指標となります。土壌の酸度が高くなり過ぎた場合(pH4以下)は、茶摘みの時期に石灰(良質のドロマイト石灰が望ましい)を加えますが、その際、適正な添加量を地元の研究機関などに確認することが重要です。なお、年間の雨量が蒸発散量より多ければ、灌漑によって塩分濃度が上昇する可能性は低くなります。
- 地下水面
- 降雨量+ 灌漑水量:水が年間を通して下に流れていることを示す蒸発散量
- 灌漑水の水質管理により、茶木の生育を阻害するナトリウムの蓄積を防止。

改善が期待できる分野
農園の土壌圧縮レベルを見直し、脆弱なエリアの管理プランを立てます(崩れやすい湿地エリアでは車の通行を制限するなど)。 既存の有機物のレベルは十分であるか、また土壌のpH値はお茶の生育や持続的な成長に適した4~4.5 に収まっているかなどの点から植樹や移植の基準を見直します。 しっかりとした灌漑設備を整え、安定した道を作って長期的な侵食を抑えます(使用状況に応じて草、紅土や舗装道路などを選択)。 土壌は複雑な生態環境であり、植生、バイオマス還元、農薬や肥料の影響については、さらなる研究が必要です。また、土壌の状態をモニタリングや測定する手法の開発が求められています。

undefined